性器ヘルペス
性器ヘルペス
感染症の知識
/生殖器系感染症/
性器ヘルペス
性器ヘルペス
性器ヘルペス
性器ヘルペス
§1 性器ヘルペスに付いて/生殖器系感染症/感染症の知識
単純ヘルペスウィルス
に感染して発症します。性器に潰瘍や水疱を形成しますが、男性の場合痛みは伴っ
ても激痛になる事は少なく、女性の場合は激烈な症状を呈します。患部の激しい痛みで排尿や歩行も困難
になるケースさえ有ります。 性器が痒かったり、1〜2mm程度の水疱が多数あれば、性器ヘルペスを疑い
ます。女性の場合、外陰部にヘルペスの病変が有りますと、出産時に産道感染により新生児ヘルペスに罹
患する可能性があります。新生児ヘルペスは死亡率の高い疾患の為、帝王切開を選択するのが一般的に
なります。性器ヘルペスは、繰り返し再発したり、感染していても無症状のケースが70〜80%と多く、本人
が気付かぬままに感染が拡大する為、予防も困難であるなどの大きな問題が有ります。 更には潰瘍性病
変が性器にあれば、HIVの感染確率も高まると考えられており、エイズコントロール上も、重要な要因となっ
ております。
§2 性器ヘルペスの傾向/生殖器系感染症/感染症の知識
単純ヘルペスウィルス
は
HSV−1(1型)
と
HSV−2(2型)
が有ります。セックスにより単純ヘルペスウィル
ス(HSV)に感染しますと、性器に
浅い潰瘍
や
水疱
を形成します。従来HSV−1は口唇ヘルペス、HSV−
2は性器ヘルペスを意味しておりましたが、近年のセックス形態の変遷により(オーラルセックスが原因)分
離されるウィルスはこの枠に収まらなくなりました。 従来、口唇ヘルペスは乳幼児期(1〜4歳)に殆んどの
人が罹患しておりましたが、近年では思春期以降に感染例が増加しており、HSV−2(性器ヘルペス)のみ
ならずHSV−1(口唇ヘルペス)もSTDに分類されてもおかしくない状況です。単純ヘルペスウィルスのHS
V−1(口唇ヘルペス)は三叉神経節にHSV−2(性器ヘルペス)は仙骨神経節に
潜伏感染
します。HSVの
再活性化、反復発症(回帰発症)は紫外線、過労、月経、発熱、外傷、精神的ストレス、免疫抑制剤の服用
などが誘因となり起きます。 この回帰発症は、初感染時より(症状は)軽い傾向にあります。日本ではヘル
ペスの初感染ではHSV−1(口唇ヘルペス)が分離される事が多く、 再発例ではHSV−2(性器ヘルペス)
が分離される事が多い。再発の頻度はHSV−2(性器ヘルペス)に感染した事例で多く確認されております。
§3 性器ヘルペスの症状/生殖器系感染症/感染症の知識
感染は臨床上、急性型(初発/症状重篤)と再発型(過去、性器ヘルペス発現を経験しており、潜伏感染して
いたHSV再活性化で再発/症状は軽度で1〜2週間以内に治癒する事が多い)、誘発型(過去感染既往であ
るが、無症状で免疫力低下に伴ないHSVが活性化して、始めて症状発現する/症状は免疫の程度で異なる)
が有ります。
女性は、初感染の場合、2〜10日の潜伏期間の後、外陰部に不快感、掻痒感を感じる様になり、外陰部に
米粒大の水疱
ができ、それが破れますと
潰瘍
になります。 小陰唇、大陰唇、膣前庭、会陰部に出来る
浅い
潰瘍
や
水疱
が膣内や子宮頸管にまで及ぶ事も多く、その
痛みは激烈
で、
排尿困難
、
歩行障害
を伴なう事や、
太ももの付け根の
リンパ節が腫れ
る事や熱が出る事も有ります。
性器粘膜に不快感
や
焼かれる様な熱さ
な
どの局所的症状を自覚したり、
頭痛
、
発熱
、
全身倦怠感
なども出現します。 再発型の場合には、症状は軽
度で、
小さな潰瘍
や
水疱
も数個出現する事が多いとされます。
男性の急性型は2〜10日の潜伏期間の後、外陰部(ペニス/包皮、冠状溝、亀頭など)に病変が生じます。
初感染時は亀頭部、振子部に1〜2mmの
掻痒感
を伴なう
複数の水疱
が出現します。大腿部や臀部に出現
する事もあります。数日後に水疱は破れ、
軽度の潰瘍
を形成しますが、女性の様な激烈な痛みではない
痛
み
を伴ないます。 時に鼠径部
リンパ節が腫れ
、
発熱
を伴なう事があります。
尿道炎
や
水っぽい膿
を確認す
る事も有ります。肛門性交の場合には、肛門周囲、直腸粘膜に病変が出現します。再発型の場合には症状
は軽度で、出来た
水疱
や
潰瘍
は短期間で治癒するケースが多い。(再発型は殆んどHSV2型です。症状は
1〜2週間程度で治まりますが、 完全に治癒するわけでは無く、1〜3ヶ月ごと、 或いは2〜3回/月とケース
により様々に再発を繰り返します。)
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単純ヘルペスウィルス2型
模式図-
-
性器ヘルペス 亀頭部 模式図
-
§4 性器ヘルペスの検査/生殖器系感染症/感染症の知識
外陰部に水疱や浅い潰瘍を認めた場合には、性器ヘルペスがまず疑われます。性器ヘルペスの確定には、
理論的にはHSVを証明すれば良いのですが、そのためには培養細胞の必要性がある為、実際には水疱内
容や潰瘍底にあるHSV抗原を
蛍光抗体法
(感度はやや悪い)により証明する事が、現実的な対応になるとさ
れております。
§5 性器ヘルペスの治療/生殖器系感染症/感染症の知識
抗ウィルス薬や軟膏により治療を行って症状が短期間で治まっても、ウィルスは体内に居ついており、その
後病気や疲労で体力や抵抗力が低下した時に、再発を繰り返します。 体内のウィルスを完全に消滅させる
方法は現状では発見されておりません。 世界的には年6回以上再発を繰り返す患者や再発時の症状が重
い患者に対しては、
抗ヘルペスウィルス薬
(
アシクロビル
orバラシクロビル)の継続投与する抑制療法が行わ
れております。(患者の精神的苦痛の除去、QOLの改善、他人への感染予防のため)日本ではバラシクロビ
ル500r、1回/日の服用が健康保険適用となっており、この療法で60〜70%の患者さんで再発を抑制で
きるとされますが、HSVを完全に排除する薬剤は有りません。10回/年以上も再発を繰り返すような事例で
は服用中に再発する事もあります。
初感染時、回帰発症時では薬物の服用・投与は対応が若干異なります。初感染時には
アシクロビル
200r
を5回/日orバラシクロビル500rを2回/日これを5〜10日間経口投与し、 重症の場合にはアシクロビル5
r/kgを3回/日これを5日間点滴静注します。回帰発症時では、
アシクロビル
200mg5回/日orバラシクロビ
ル500rを2回/日これを5日間経口投与となります。 軽症例では3%
ビダラビン
軟膏or5%
アシクロビル
軟
膏を数回/日これを5〜10日間塗布する事になります。
-
単純ヘルペスウィルス1型 模式図
-
右図は口唇ヘルペスウィルスの模式図です。近
年では口唇ヘルペスウィルスにしろ、 性器ヘル
ペスウィルスにしろその感染領域は所を変えて
います。 HSV1、HSV2の感染領域の変遷は、
近年のセックス形態の変遷を意味しています。
そして、性器ヘルペスは、女性により大きなダメ
ージを与えます。流産し易くなったり、
子宮頸癌
になり易い事 (子宮頸癌の罹患女性の80%に
HSV2が発見されています)や、心臓病に罹りやすい事も指摘されております。予防に心がけ、ヘルペスに
罹患しているパートナーとはセックスを控える事が必要です。
§6 性器ヘルペスの予防/生殖器系感染症/感染症の知識
性器ヘルペスを予防する為には、感染しているパートナーとの、性的接触を避ける事は第一条件ですが、パ
ートナーがHSVを保有していない事が確実でない限り、コンドームは絶対に使用する必要があります。しかし、
例えば症状の発現程度が広範囲であれば、コンドームのみの対応では感染を防ぐ事は不可能であり、困難
といわざるを得ない状況も考えられます。ワクチンは開発されておりません。(
5類感染症
)
*
潜伏感染
;感染したウィルスは神経細胞に達し、そこで細胞の染色体に取り込まれる事なく、核質内に留ま
り、この際は無症状です。 それが発熱や紫外線、過労などの神経細胞のストレスが誘因となり、HSV染色体
は活性化される。神経細胞内ではHSVの複製が起き、産生された複製ウィルスは再びヘルペスを回帰発症さ
せます。
*
5類感染症
;診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、且つ、以下の基準をみたすも
の。(男女共に、性器や臀部にヘルペス特有な有痛性の、1〜多数の小さな水疱性或いは、浅い潰瘍性病変を
認めるもの。ただし、血清抗体のみ陽性のものは除外する)
感染症の知識
/生殖器系感染症/
性器ヘルペス
◎
症状
から確認します。
熱
痛みT
痛みU
嘔気・悪心
血液
便
鼻
発疹
咳
食
痰
皮膚・粘膜・感覚器
眼
腫れ
リンパ節
汗
喘鳴
黄疸
呼吸
心臓
尿
各種障害T
各種障害U
血圧
性格・行動・体位
合併症
T
合併症U
寒け
毛髪
全身症状
その他T
その他U
その他V
◎
疾患名
から確認します。
呼吸器系感染症
消化器系感染症
循環器・血液系感染症
中枢神経系感染症
泌尿器系感染症
生殖器系感染症
耳鼻咽喉科系感染症
小児関連感染症
動物由来感染症
高齢者関連感染症
皮膚感染症
その他感染症
参考資料
感染症検査関連情報
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