子宮頸癌

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 感染症の知識/生殖器系感染症/子宮頸癌          子宮頸癌

子宮頸癌


子宮頸癌




     
§1  子宮頸癌に付いて/生殖器系感染症/感染症の知識


      
子宮頸癌に関与するウィルスとして上げられるヒトパピローマウィルス(パピローマはイボの意)は、年齢に関

      係なく注意の必要な病原微生物です。 近年の傾向としまして、低年齢化がいわれており、ワクチンの接種を

      積極的に受ける事が大切です。できれば、セクシャルデビュー前(11歳〜14歳頃)のワクチン接種をお奨め

      します。 勿論、それ以降の接種も勧められております。(このワクチンはHPVに既に感染してしまっている人

      の発症を抑えるものではありません。 又、HPV16型、18型以外の型には効果が有りませんが、この2つの

      タイプで6〜7割程度を占めます。 ワクチンの持続効果は6〜10年程度といわれておりますが、 まだ明確に

      判っておりません。) 子宮頸癌は喫煙との関係も指摘されております。 喫煙習慣のある人はタバコを吸わな

      い人の2倍以上のリスクがあると指摘されております。




      * 子宮頸癌は性病ではありません;このウィルスは日常生活のあらゆる場所に存在する極めてありふれたウ

      ィルスです。殆どは性行為で子宮に感染します。健康な一般女性の約8割は一生のうちに一度は感染すると

      類推されているものです。世界中でも約3億人が感染しているとされ、いわゆる性病ではありません。




      * 子宮頸癌ワクチン認知度;2010、9月の全国の16〜49歳の男女にアンケートした調査結果(by厚生労働

      省研究班)によりますと、女性の有効回答869人のうち、 このワクチンを知っていたのは全体の78、4%で「

      非常に摂取したい」と「まあ摂取したい」を合わせると、71、3%が摂取希望という結果になりました。



      
* 子宮頸癌ワクチン;子宮頸癌ワクチンには2価ワクチンと4価ワクチンがあります。それぞれ多少の効能の違

      いがあります。サーバリックス(2価ワクチン/2009年12月発売)はHPV16型・18型に対応し、ガーダシル(4

      価ワクチン/2011年8月発売)はHPV16型・18型・6型・11型に対応しており、主に尖圭コンジローマを防げ

      とされております。某婦人周産期医学教授は「子宮頸癌は圧倒的に16型と18型が多く、この2つのタイプで20

      〜30代の約80%、全世代平均で約70%を占めるとされております。ただ、尖圭コンジローマは痛みは殆ど無

      いものの、再発率が高く、その報告数のピークは20代となっている。凍結療法やレーザー療法などがあるもの

      の、治療は難しい。 オーストラリアでは、4価ワクチンにより6割減少した」と話しております。各自治体では、ど

      ちからのワクチンを選択しているというのではなく、 医療施設では両方のワクチンを扱っているのが普通であり、

      接種者がそこで選択する事になるとされます。現況ではその効果や持続期間など2つのワクチンを直接比較す

      るデータは出されていません。



     
§2  子宮頸癌の症状/生殖器系感染症/感染症の知識


       子宮頸部に出来るこの癌は、初期はその90%以上が無症状ですが、進行に伴ない生理以外の出血、不正

       出血
セックスの時の初期点状出血セックス時の大量出血で気付いたりします。 進行してしまうと、膿血

       性のオリモノ(帯下)
などにも注意が必要です。又、骨盤内に限局した痛みや、帯下悪臭(腫瘍組織壊死、子

       宮頸癌特有の悪臭)、更には、
帯下増量(量が多いため、下着やパッドを何度も交換しなければならない程)、

       
水様性帯下(悪性腫瘍)、 末期ではシンプソン徴候坐骨神経痛下肢疼痛下肢むくみ直腸膣瘻膀胱

       膣瘻
(膣と直腸、膀胱間に瘻口ができてしまう)、 水腎症背部痛腰痛貧血(出血などによる)などが認め

       られる様になります。

子宮頸癌は子宮の入口という比較的発見し易い部位に

出来ますので 定期検診さえ受けていただければ、比較

的早期でも発見が困難な癌では有りません。性体験の

ある女性では どなたでも可能性があります。 感染者の

10%程度に性器にイボが発生します。早期発見さえ出

来れば、ほぼ100%治癒する癌です。
    -ヒトパピローマウィルス 模式図-




     
§3  子宮頸癌罹患リスク/生殖器系感染症/感染症の知識


       HPVは性行為により感染するために、性感染症と誤解される向きがありますが、ごくありふれた感染症です。

       検診では 早期発見も可能です。 (HPV検査は採取細胞を使用し、HPVに感染していないか否かを調べる検

       査です。前癌状態をほぼ見落とし無く行えるとされております。HPV検査が陽性の場合、定期的に子宮癌検

       診を受ける事が必要になります。HPV検査のキットも販売されております。細胞採取を確実にする事がポイ

       ントになります。)子宮頸癌は、性交経験のある方なら80%の人が1度は感染するといわれております。HP

       Vは極ありふれたウィルスであり、罹患リスクとして上げられるのは、@セックスAペニスの汚れB若年での

       回数の多いセックスC不特定の相手D早産・若年出産E喫煙F野菜・果物の摂取量不足G性行為感染症

       (梅毒クラミジア淋病、その他)などがあります。 また、どんなSTDに罹患していても、性器に炎症があれ

       ば他のSTDに罹り易くなります。性成熟期の不正性器出血の原因はとても多彩で、リスクのある出血と鑑別

       は極めて重要です。 また、無月経からの出血の原因も流産や子宮外妊娠によるものなのかハイリスク出血

       なのかの鑑別も重要です。 思い当たる事や、心配なケースの場合には、早期に受診する事をお奨め致しま

       す。コンドームによる予防には限界があります。 何故ならHPV感染は陰嚢やペニスの付け根の部分でも起

       こり得るからです。(HPV感染症には陰茎癌も含まれています。子宮頸癌と陰茎癌はHPV-16とHPV-18

       で発生原因の70%を占めています。 /因みにHPV-16、18、6、11を合計すると 子宮頸癌の約90%を占

       めます。)HPVは子宮頸癌、陰茎癌をはじめ、その他にも尋常性疣贅、封入体疣贅、扁平疣贅、尖圭コンジ

       ローマ、巨大尖圭コンジローマ、ボーエン病、ボーエン様丘疹症、有棘細胞癌、足底表皮様嚢腫、疣贅状表

       皮発育異常症などからも検出されています。HPVは血液や精液で移る事は無いとされ、皮膚と皮膚の接触

       で移るとされています。 また、ペニスに感染していたHPVが、オーラルセックスにより喉に感染し、食道癌を

       発生させる事もあります。






     
§4  子宮頸癌の検査/生殖器系感染症/感染症の知識


       子宮頸癌は概ね@問診、A内診、B細胞診、Cコルポスコープ疹、D組織診、E画像検査という流れになり

       ます。 @問診では月経周期、妊娠・出産経験、症状などが把握されます。A内診は膣内や子宮の触診、視

       診による異常確認、B細胞診は子宮頸部を綿棒や専用ヘラ(木製やプラスティック)の様なもので擦過(痛み

       も殆んど無く簡単)して付いた細胞を顕微鏡で調べます。 細胞診ではクラス分類(従来のクラス分類やベセ

       スダシステムなどによる)を行います。(異型細胞の有無、悪性の可能性の有無確認)C細胞診で異常が疑

       われる場合には、コルポスコープ診により 頸部表面の拡大鏡検査を実施し 、詳しく観察する事になります。

       Dコルポスコープ診で異常が疑われますと、 組織採取により顕微鏡で調べ、 腫瘍の程度やタイプを特定し

       て行きます。 E画像検査は他臓器やリンパ節への転移確認のため、MRI・CT検査などが行われます。(HP

       V検査は採取細胞を使用し、HPVに感染していないか否かを調べる検査です。 前癌状態をほぼ見落とし無く

       行えるとされております。)





     
§5  子宮頸癌の治療/生殖器系感染症/感染症の知識


       子宮頸癌の治療は手術療法、放射線療法、化学療法が有りますが、主体は手術、放射線療法です。進行

       期により治療法は異なります。将来妊娠・出産を望まれるか、その必要性を求められない方の場合などで

       も、 治療法に影響を与える事があります。 強く妊娠出産を望まれる場合には、主治医としっかり話し合い、

       副作用やリスクなどを充分に知り、得心した上で方向性を出す事が大切です。




    子宮頸癌の臨床進行期(ステージ) 5年生存率の変遷例(%)
適応手術療法例
0期 上内皮癌で組織学的に腫瘍細胞が上皮内に留まり、基底膜を破って間質へ浸潤する所見が見られない。 光線力学療法
単純子宮全摘出術
円錐切除術
T期 癌が子宮頸部に限局するもの(体部浸潤の有無は考慮しない) 83.3%
(1963-1972)
92.1%

 Ta期 組織学的にのみ診断できる浸潤癌。肉眼的に明らかな病巣はたとえ表層浸潤であってもTb期とする。浸潤は計測による間質浸潤の深さが5o以内で縦軸方向の広がりが7oを超えないものとする。浸潤の深さは浸潤が見られる表層上皮の基底膜より計測し5oを超えないものとする。脈管(静脈又はリンパ管)侵襲が有っても進行期は変更しない。 単純子宮全摘出術
  Ta1期 間質浸潤の深さが3o以内で、広がりが7oを超えないもの。 光線力学療法
単純子宮全摘出術
円錐切除術
  Ta2期 間質浸潤の深さが3oを越えるが5o以内で広がりが7mmを超えないもの。 単純子宮全摘出術+骨盤リンパ郭清術 準広汎子宮全摘出術
(広汎子宮頸部摘出術)
 Tb期 臨床的に明らかな病巣が子宮頸部に限局するもの、又は臨床的に明らかではないがTa期を越えるもの 広汎子宮全摘出術 (広汎子宮頸部摘出術)
  Tb1期 病巣が4p以内のもの 広汎子宮全摘出術
  Tb2期 病巣が4pを越えるもの 広汎子宮全摘出術
U期 癌が頸部を超えて広がっているが、骨盤壁又は膣壁下1/3には達していないもの 66.4%
(1984-1988)
広汎子宮全摘出術
73.1%



 Ua期  膣壁浸潤が認められるが、子宮傍組織浸潤は認められないもの 広汎子宮全摘出術
 Ub期 子宮傍組織浸潤の認められるもの 広汎子宮全摘出術
V期 癌浸潤が骨盤壁にまで達するもので腫瘍塊と骨盤壁との間に触診上の間隙がない、又は膣壁浸潤が下方部分1/3に達するもの。 36.8%
(1963-1972)
49.2%

 Va期 膣壁浸潤は下1/3に達するが、子宮傍組織浸潤は骨盤壁にまでは達していないもの。
 Vb期 子宮傍組織浸潤が骨盤壁にまで達しているもの。又は明らかな水腎症や無機能腎を認めるもの
W期 癌が小骨盤腔を超えて広がるか、膀胱、直腸の粘膜を侵すもの。 12.1%
(1963-1972)
20.4%

 Wa期 膀胱、直腸の粘膜への浸潤があるもの。
 Wb期 小骨盤腔を超えて広がるもの。
                                                            by 日本産科婦人科学会





     §6  子宮頸癌治療による合併症/生殖器系感染症/感染症の知識


       
子宮頸癌の治療では、治療法により子宮が温存される場合や、子宮を摘出する場合には妊娠能力を失う事

       になります。 子宮頸部の円錐切除術Ta1期の場合には妊娠を望まれる場合に選択されます)の場合には、

       子宮は温存されますが、広汎子宮摘出術などでは切除範囲は広く、妊娠能力を失うばかりではなく、骨盤神

       経叢を傷付ける事により膀胱機能障害や、その他にも排尿障害、排便障害などや、術後の尿路感染症(カテ

       ーテルなどからの細菌汚染)なども考えられます。 骨盤リンパ節を郭清しますと、 下半身のリンパの流れが

       途絶される為に、下肢や外陰部の浮腫、リンパ液の後腹膜腔への漏洩、リンパ嚢胞の出現、脚のむくみ、膣

       短縮、萎縮、乾燥、悪心、嘔吐、全身倦怠、皮膚炎、食欲不振、下痢、血尿、膀胱障害、便意、腹痛、排便時

       痛、下血、直腸障害など様々なものが考えられる様になります。





    * 
膀胱膣瘻/膀胱に孔が空き、膀胱と膣の間が開通し、尿が膣の側に漏れ出てくる状態



    * 
直腸膣瘻/直腸壁に孔が空き直腸と膣の間が開通し、便が膣の側に漏れ出てくる状態であり、末期や分娩の

    時の傷が原因になる事もあります。


    * シンプソン徴候/癌の進行期には血性、膿性の浸出液が子宮腔内に貯留します。この貯留液を子宮腔外に排

    出しようと子宮が収縮する際に陣痛様の疝痛(下腹痛)を起こしますがこれをシンプソン徴候といいます。(癌によ

    り子宮内に膿などの分泌物が溜まるので、それを排出するために起きるものです。)












 感染症の知識/生殖器系感染症/子宮頸癌


症状から確認します。
痛みT 痛みU
嘔気・悪心 血液 便
発疹
皮膚・粘膜・感覚器
腫れ
リンパ節 喘鳴
黄疸 呼吸 心臓
尿
各種障害T 各種障害U 血圧
性格・行動・体位
合併症T 合併症U 寒け
毛髪
全身症状
その他T その他U その他V
疾患名から確認します。
呼吸器系感染症 消化器系感染症 循環器・血液系感染症
中枢神経系感染症 泌尿器系感染症 生殖器系感染症
耳鼻咽喉科系感染症
小児関連感染症 動物由来感染症
高齢者関連感染症
皮膚感染症 その他感染症
参考資料 感染症検査関連情報




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