骨盤臓器脱・尿と病気

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骨盤臓器脱

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骨盤臓器脱/尿と病気


     
§1  骨盤臓器脱とは/骨盤臓器脱/尿と病気


       
性器脱とも呼ばれる骨盤臓器脱は、臓器下垂(膀胱瘤、子宮脱、直腸瘤、小腸瘤、膣断端脱など)の不快

       感で
頻尿、尿意切迫感が起きる例が多い。 主な症状は下垂感で、 立ち仕事、長距離歩行、排便時、疲れ

       などから、股に何かはさんだような不快感が強まります。入浴時に何か、股にピンポン玉のようなものが触

       れる事で気づく事が多い。




       
* 骨盤臓器脱の症状例;肛門・左会陰部・膣に膨らみを感じるなどを訴える事例が紹介されています。 歩く

       と痛いが、寝ているとおさまり、座っても痛みます。立つと直腸部が垂れ下がり、痺れが強まります。立って

       いる時、夕方になると膣に膨らみを感じ、 引っ張られる様な重い痛みを感じる等は骨盤臓器脱(膀胱瘤、子

       宮脱、直腸瘤など)に見られるもので、50歳を過ぎた女性に多い疾患です。エストロゲンの減少により、筋

       肉・靭帯に緩みが生じ、 肥満・便秘・咳・介護などで負荷がお腹に掛かる事などが原因と考えられておりま

       す。








     
§2  骨盤臓器脱の検査診断/骨盤臓器脱/尿と病気


       問診の後、診察台で充分ないきみ、咳で腹圧をかけて骨盤臓器脱がどの程度であるかの評価がされます。

       評価、スコア化はBaden-Walker法などもありましたが、近年の標準的な方法として、POP-Q法が使われる

       ようになっております。この評価、スコア化により骨盤臓器脱の程度が数値化されます。


       
POP-Q法/骨盤臓器脱の検査診断/骨盤臓器脱/尿と病気

       
計測部位の記述
 前膣壁

    Aa
 前膣壁

   Ba
子宮膣部または膣断端
   C
 生殖裂孔

   gh
 会陰体

   pb
 全膣長

   tvl
 後膣壁

   Ap
 後膣壁

   Bp
 後膣円蓋

   D

計測部位記述例(子宮脱例)
  +3

    Aa
  +3

   Ba
  +8

   C
 4、5

   gh
  +3

   pb
   8

   tvl
  +3

   Ap
  +8

   Bp
   -

   

正常例
  −3

    Aa
  −3

   Ba
  −8

   C
   2

   gh
   3

   pb
  10

   tvl
  −3

   Ap
  −3

   Bp
 −10

   D
ストレステスト;脱出しました臓器を戻して、体制を整えて、咳による尿道過可動や腹圧性尿失禁の確認が

されます。





     
§3  骨盤臓器脱の療法/骨盤臓器脱/尿と病気


      §3−1  保存療法/骨盤臓器脱の療法/骨盤臓器脱/尿と病気


       保存療法として、基本的には骨盤底への負担を減らすためにも、減量、禁煙、便秘、呼吸器疾患への予防・

       配慮、矯正下着などで腹部を締め付けない様に心がける などに努めなければなりません。 骨盤底筋群の

       訓練のために、多種多様な方法が薦められております。 重要なのは骨盤底筋群の訓練のために、まず確

       実に、該当筋を訓練する事は絶対原則です。 即ち、骨盤底筋群の訓練のつもりで、間違って殿筋、腹筋を

       かけたり、腹圧をかけている人がおります。薦められている方法の一つでは、風呂で左手をお腹に、右手の

       2本の指を膣の中に挿入し、骨盤底筋群が正しく収縮できるかチェックする骨盤底筋訓練アセスメントです。

       この方法に抵抗がある場合には、肛門に指を当てて、外肛門括約筋の収縮を確かめる方法もあります。こ

       れにより、 働かせるべき筋群が自覚出来る様になります。 また、一回数秒(徐々に10秒位まで保つ)の収

       縮を1日50回実施し、1日1回の排尿中断をする事を薦めております。これは、骨盤底筋群の収縮、弛緩を

       毎日繰り返して行うもので、 脆弱化した筋群の強化と腹圧負荷時に筋群を随意収縮できる様に習熟する事

       に努めます。 (リング、ペッサリーは就寝前に外し、朝に挿入する自己脱着の場合には管理性も良いが、通

       常の長期留置タイプでは、帯下増加、悪臭、膣壁糜爛が起こりがちで、何年も放置して膣壁に陥入を来たす

       ケースも確認されますので、注意が必要になります。)




       
* リング;リングは自己着脱可能な方の場合 (日中、 リングを挿入し、 夜間は外す自己管理を確実にする)、

       比較的、管理性も良いとされています。しかし、女性ホルモンの低下環境下にある人では、膣の防御機能の

       衰えにより傷も付き易く、細菌感染を起こし易いので注意が必要になります(症状としては、出血・帯下増加

       など)。 リングが合わない方の場合には、 フェミクッションという下着も開発されており、それを試みるのも一

        つの選択肢かもしれません。





      §3−2  手術療法/骨盤臓器脱の療法/骨盤臓器脱/尿と病気


        
標準的な手術は膣式子宮摘除術と膣壁形成術を施療する事になりますが、その10〜30%が膣が裏返り、

        脱を起こす膣断端脱という形で再発の報告があります。その様な傾向を反映し、骨盤臓器脱(即ち骨盤底

        のヘルニア)に対応して、 ポリプロピレンメッシュを他のヘルニアの手法と同様の考え方に因み、採用する

        方向性があります。 この考え方のTVM(tension-free vaginal mesh)手術では、 周術期合併症は少なく、

        低侵襲性で注目される手術ですが、今後の経年の合併症(メッシュの安定的な収まりの確認)や成績、実

        績などが確認されなければなりません。(潜在的腹圧性尿失禁では骨盤臓器脱と同時に尿失禁手術を施

        すのか、術後悪化例に対応した施療にする方がベターなのかなどの懸案事項もある。医師からの充分な

        説明と、納得の上の同意が必要になります。)



        
* TVM手術;TVM手術はメッシュを使って臓器を支える方法です。子宮や膀胱・直腸などは臓器自体に支

        持力が有りません。 膣管によって間接的に骨盤内に安定している状態であり、その膣管は筋肉群(骨盤底

        筋群)により支えられております。従いまして、その筋肉群が損傷したり、弱くなったりしますと、臓器脱が起

        こります。 その原因は幾つか考えられますが、 出産や肥満、便秘、重いものを持つ事による力み、加齢や

        閉経による女性ホルモンの減少などが上げられております。臓器の中でその6割以上は膀胱で、非常な不

        快感があります。 進行しますと排尿困難や尿漏れ、排便困難、出血などの支障が生じます。治療はペッサ

        リーを入れたり、子宮を摘出し、膣壁を縫合して補強する事、近年ではフランスで開発されたTVM手術など

        が選択されます。このTVM手術はポリプロピレンメッシュを膣から体内に入れ、 骨盤全体をハンモックの様

        に支えます。 支持は陰部に開けた小さな穴から固定します。日本では2005年に導入され、普及が進んで

        おります。 臓器摘出や膣壁を切り取ったりしませんので、 患者さんの負担が少ない方法です。手術は全身

        麻酔により、1〜2時間で終わります。実績も徐々に積みあがって来ており、健康保険も適用されます。医療

        関係者によりますと、「手術は程度や希望により行われ、骨盤底筋体操(軽症の場合)やペッサリー療法、従

        来の手術療法と合わせて、 選択肢として紹介されており、どの手術も再脱出の可能性は有りますが、TVM

        手術は低い」としております。
















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